山形県 化け物祭りとメッケ犬
樹の枝が落ちていて森の小径をふさいでいます。 ![]() と思ったら、ヘビでした。ジムグリのようです。昔、やんちゃな中学生に飼わされたことがありました。教員になって2年目、初めて担任したクラスの子2人に休日でくわし、アパートまで押しかけてきて「さっき、森で遊んでいて見つけたんだ。うちに持って帰ったら怒られるから、先生飼ってて。逃すなよな。」 というわけで。ウズラの卵を与えようとしたけれど、ついになにも食べず、時々水槽のなかに入れてあったサザエの貝殻に隠れたりして2~3ヶ月生きていました。ついに「お前らがせわしないなら逃がすぞ」と宣言して山に帰しました。 調べると、ジムグリは主に地中のネズミの巣でネズミの子を捕食するヘビで、それが名の由来だとか。狩りは冬眠明けの春と、冬眠前の秋に集中し、夏はあまり食べないとのこと。 とにかくおとなしいヘビです。写真を撮ろうとしてポーズをお願いしましたが、ダラーッと伸びたまま。樹の枝で優しくトントンしても首を少しだけS字状に曲げただけ。鎌首をもたげることもしません。 ![]() 「でも、通る人がこわがるから、どいててね」と草むらに移動してもらいました。 庄内名物アサツキ畑はラベンダー色の花が満開。先日、いなくなったと嘆いたミツバチもチラホラと。 ![]() ![]() ところで、5月25日前後は天神様の祭りなのですね。鶴岡市の天神祭は別名「化け物祭り」と言います。妖怪や魑魅魍魎の化け物ではなく、深い笠をかぶり手ぬぐいで覆面をし、着物の尻をからげた股引姿の人が、見物客に酒をふるまうという奇妙な祭りです。これは、天神様こと菅原道真が九州に左遷されるとき、友人たちが変装して送別の宴を開いたという故事にちなむのだとのこと。 昨日は合唱団の練習日だったのですが、市内中心部に入るとあちこちが通行止め、目的の教会までえらい遠回りさせられてしまいました。 奇祭といえば、同じ鶴岡市の大山地区では、犬祭りという祭りがあります。これは、化け物が毎年娘をさらって苦しめていたところ、メッケ犬という犬が化け物を退治した。メッケ犬とは「滅怪犬」つまり怪物を滅ぼす犬という意味だとか。それで、化け物をだます偽物の娘を献上する行列が繰り出すのが犬祭りです。(数年前、代官が乗る馬を引く役で参加したことがありました。アパルーサ種というヒョウ柄の馬だったので、沿道から、シマウマだ、キリンだと言われて、モンタナ(馬の名)には気の毒なことでした。 ところで内陸の高畠町にはかつて高安犬(こうやすいぬ)という犬がいて、三毛色や四毛色の犬が多かったとか。その犬がムジナを退治したというので、犬神社という神社があるそうです。それがやはりメッケ犬で、これは三毛犬のことだとのこと。 民話はよく似た話が各地に伝わっていることがあります。これもその一つなのでしょう。どちらのメッケの由来が本当なのか?、 高安犬は絶滅してしまいましたが、戸川幸夫が「高安犬物語」を書いていますね。 | |
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関雅行さん[1199] | 2015-05-26 14:46:59 |
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こうしてアップで見るとヘビもきれいなものですね。
メッケ犬の話は初めて聞きましたが、これって『南総里見八犬伝』のヒントになっているんでしょうね。