栃木県 こじゃれた創作料理の店、「石の蔵」のインテリア
JR宇都宮駅の近くを流れる一級河川、田川のほとりに佇む、創作料理の店「石の蔵」をご紹介します。建物は50年ほど前に業務用の倉庫として耐火性に優れる大谷石を組んで建てられましたが、使われなくなっていた蔵を改修したものです。 田川は日光市に源を発して宇都宮市街部を流れ、田川放水路を経て鬼怒川に合流する、鬼怒川支流で最大の川です。江戸時代初期には灌漑用水として水田に取り込まれていたものの、「暴れ川」としても知られ、氾濫に伴って河川改修が行われました。確かに、私の子ども時代はアユが生息する清流で、現在もアユ釣りの釣り人を見かけますが、もちろん、鑑札は必要です。夏休みにはこの川で泳いだ記憶がある一方、台風が来ると氾濫していたことを覚えています。 ツタのからまるこの店を紹介するのは、外観だけでなく店内に一歩足を踏み入れると視界に広がるインテリアのすばらしさにあります。このインテリアを手がけたのが、木工作家として知る人ぞ知る富田文隆氏。彼は群馬県生まれで前橋市に在住し、スウェーデンのカールマルムステン工芸学校を卒業してから手がけた作品には、東京駅再開発による丸ビル最上階の和食料理店「暗闇坂 宮下」や、サンフランシスコにオープンした日本料理レストラン「NOBU」の有名シェフ、森本昌治や共同経営者のハリウッドスター、ロバート・デニ―ロからの特注家具製作などがあります。ちなみに森本氏は「NOBU」の実質総料理長となり、創作和食を提供する店は大変な評判を呼んで人気レストランとなりました。それは、世界一採点が厳しいことで知られるニューヨーク・タイムズの料理記者から絶賛されていることでもわかります。ほかに、さいたま市の北浦和教会の祭壇など一式の製作、群馬県上野村にある美術館「夢学館」の時計製作、商社が拠点にしている海外事務所の貴賓室用家具製作や内装施工など枚挙にいとまがありません。日本は言うに及ばず、海外にもファンを抱える日本の代表的作家のひとりと言っていいでしょう。 私は彼を直接知っているわけではありませんが、『木工大図鑑』(講談社刊)という本を出版した際に富田氏の作品を掲載し、「石の蔵」のインテリアを手がけたことを聞いていた営業担当の男と一緒に宇都宮に出かけた際、この店で食事をしようと誘われて訪れました。 本館館内の蔵の壁は、梁(はり)まで6m近くあり、手掘りのどっしりとした大谷石が積み重ねられています。さらに、目を奪う巨大な支柱は、富田氏が前橋で選定して加工したものをトレーラーで一晩かけて運び込んだといういわくつきのもので、その重厚感に圧倒されます。ほかにも野趣あふれる木の家具や瓢箪(ひょうたん)の照明が配され、巨大な和紙の光柱も目を見張ります。 食材の野菜は契約農家から届けられるもので、畑の状態を維持するために調理直前まで土をつけたまま保存するという気の使いよう。ランチは10種類の主菜から注文でき、前菜と甘味はビュフェスタイルで食べ放題。主菜が運ばれる前に、これだけでお腹がいっぱいになってしまったという話を何人かの人から聞きました。ランチビュフェ・コースは1500円。安い! もちろん、ディナーも用意されており、ロマンチックナイトを満喫できます。癒しの空間で心ゆくまで味わえる料理も、必ずやご満足いただけるはずです。 隣接するカフェ&ショップはくつろぎの空間で、作家の作品を中心に益子焼をはじめとする陶磁器や、雑貨なども販売しています。 | |
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ひとこと数:4
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関雅行さん[1199] | 2012-06-25 10:27:58 |
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雅夫さん[1220] | 2012-06-25 11:32:56 館内は煌々と明るいわけではなく、むしろ暗めでしっとりした感じです。 |
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平井正幸さん[1200] | 2012-06-25 13:45:57 Webで見ました。建物は結構大きいですね。天井高も高いし。一度行ってみたいと思わせるなかなか雰囲気のあるレストランですね。 |
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雅夫さん[1220] | 2012-06-25 15:35:28 平井さん |
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ホームページ拝見しました。
http://www.ishi-no-kura.jp/
これで、ランチ1,500円は安いですが、まず建物やインテリア、家具でノックアウトされそうですね。