栃木県 手染めならではの味わい、「宮染め」
「宮染め」は江戸時代から今に至るまで、宇都宮に伝わる伝統工芸品です。その由来は、江戸時代末期に現在の真岡市で織られた木綿地(真岡木綿)が盛んに生産されるようになり、その木綿地を染めるため宇都宮市内を流れる田川沿いに染物職人が移り住んで、半纏(はんてん)などを染めるようになったのが始まりといわれます。 その後、注染(ちゅうせん)という技法が生まれ、精錬された生地にノリや蝋(ろう)で形付けし、藍(あい)などの染料を用いて一枚一枚丁寧に染め上げてから水洗いして乾燥させ、仕上げるようになりました。このため、別名「注染」ともいわれます。代表的な染物には、浴衣(ゆかた)や印半纏、手ぬぐい、暖簾(のれん)などがあり、手染めならではの味わいがあります。 現在は田川沿いの中川染工場で製造されており、仕上がりの芳(かんば)しくない品なら、反物で5000円くらいから、手ぬぐいは200円で買えるそうです。餃子やカクテルなど宇都宮ならではの柄もあり、宇都宮市を代表する郷土玩具「黄ぶな」柄の手ぬぐいで甚平(じんべい)や暖簾を作っている人もいると聞きました。「黄ぶな」は、黄色い魚のフナを模した紙細工の玩具です。 また、「地域資源を生かして活性化を図ろう」という宇都宮市職員の自主研究グループの企画により、中川染工場が製作した宇都宮の伝統工芸「宮染め」のシャツが、今年5月に東武宇都宮百貨店で開催された「栃木フェア」で市販されました。そもそもは昨夏の節電で、市の職員が例年以上のクールビズに取り組むことになり、「どこでもやっているポロシャツやTシャツではなく、独自色を出そう」と宮染めに着目したことが発端。昨年、市の職員らに限定販売したところ、「涼しい」と好評だったことから、クールビズ用のシャツが一般の人でも購入できるようになりました。 まさに沖縄の「かりゆし」に対抗できる、うれしい着心地の新商品です。 ※一部、下野新聞を参照しました。 | |
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