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銀行に勤務する松前健一は化石捜しを趣味としていた。
健一は休日を取り、福井、白峰村で手取川に収集に来て落石に
遭い怪我をし、地元の老人弥平次に助けられた。
介抱してくれた老人の住まいは、紅い洞窟の祠を持つ
皇大玉造神社だった。
その祠には、鬼道、霊感を持つ佐比美が一族を統率していた。
大和民族とは異なり、大陸渡来の異なる文化が継承されており
あらたかな霊感の祈祷に欲に憑かれた相場師、奇病に悩む者
心身に異常をきたす者等多くが訪れている。
巫女佐比美の奇祭、祈祷と健一の関係、信者の願望が織りなす
人間葛藤の物語である。