ばぶさん童話 ぷりプリシリーズ第4話 「まえぼたん」
「ぷりぷりプリンセスのミルキちゃん」(全6回)の第4話です。
第4話 まえボタン 慈雨にいちゃんがイケル池の周りをてくてく歩いて行くと よじの伐り株のところでおしゃれごっこをしていたのは ぷりぷりプリンセスのミルキちゃんと ころころココラちゃんでした。 伐り株の上には3枚のロングドレスがふわりと置かれています。 ころころココラちゃんはセルリアンブルーのロングドレスをとりました。 なぜって青い色が大好きだからです。 ぷりぷりプリンセスのミルキちゃんは 淡いサーモンピンクのロングドレスにしようか それとも鮮やかなローズピンクのロングドレスにしようか 迷って まよって 考えています。 なぜってどちらも大好きな色だからです。 「♪どちらにしようかな てんの かみさまの・・・」 唱えながらもドキドキしてきたので途中から目を堅くつむって 「…いうとおり!♪」 と薄眼をあけながら 「♪なのなのな!あべべのべ! てっぽううってばんばんばん もいちどうってばんばんばん♪」 「みるきたん、きーまった?」 ココラちゃんが心配そうにのぞきこんでいます。 「う~~ん、う~~ん ♪どっちぃ どっちぃ えーべすさん えーべすさんに きいたら わかる!♪」 「どっち?」 「うんとね、どっちも」 ミルキちゃんは2枚のドレスを重ねて着ました。 ドレスにはまえボタンが3つついていました。 一番下のボタンをなんなくとめて それからまん中のボタンをお腹を大きく引っ込ましながらとめて・・・。 「ふう、できた。」 ところが一番上のボタンはなかなかとまりません。 それを見て 「ココラたんがやったげる」 「だめ~。じぶんで。 う~~ん う~~ん」 ミルキちゃんは目をよりめにして 「う~~ん。う~~ん。もぉう」 今度は大きく息を吸って 「う~~ん。できたぁ」 ボタンはみごとにとまりました。 と思ったその時でした。 まん中のボタンが プッツン ぴゅーん こっつん。 慈雨兄ちゃんのおでこにあたりました。 「あじゃじゃじゃじゃあ。ボタン取れちゃったね。」 「だいじょうぶ、おかあさんにつけてもらうから」 スカートの裾をひらひらさせながらミルキちゃんは お家にぴゅ~~って帰って行きました。 ―完― |
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