第42回 シーズー犬「シシ丸」 いつもキミが、そばにいた
大型犬と迷子のシシ
![]() 公園では見たこともないような犬や、私の好きな大型犬がたくさん散歩に来ていた。ボルゾイ、セントバーナード、名作『フランダースの犬』の主人公・パトラッシュと同じ種類の犬(ブービエ・デ・フランダース)、グレーハウンド、白熊のように毛がふさふさしたピレネー犬(グレート・ピレニーズ)、その黒毛版のニューファンドランド、古代エジプトの王にこよなく愛されたといわれるサルーキ……。 見たこともない犬に出会ったこともある。飼い主が一緒に連れてきていたグレートデンよりもはるかに大きく、私の目には馬のポニーほどの大きさに見えるほどの大型犬だ。近くで一緒にその犬を見ていた犬にくわしい人が、遠くで遊んでいたその犬について「確か、あれはオーストラリアン・マウンテンドッグだよ」と教えてくれた気がするが定かではない。ネットで調べてみてもわからなかった。その時見たのは一頭だったが、じつは二頭も飼っているという。一頭だけでも大変なのに、さらにグレートデンまで飼っているとなると、いったい、この人の家はどんな家なのだろう、すごい敷地に住んでいなければ飼えるはずがない、とあらぬ想像をしてしまった。 見たままの犬の印象を会社の同僚に話したのだが、そんな犬がいるはずはない、ポニーほどもある大きさなんて大げさすぎる、と、誰も取り合ってくれなかった。でも、私は遠目ながらもほんとうに見たんです。間違いないって! ……それからずっと後になって、この犬がどんな犬か、やっとわかりました。アイリッシュ・ウルフハウンド。世界最大級の犬で、グレーハウンドに近い犬種でした。 私がいずれは飼ってみたいと思い続けている犬種は、アフガンハウンドだ。長い毛足と体全体からあふれ出るノーブルな雰囲気がたまらない。でもアフガンを飼ったことのあるテニス仲間から、それはもう、とてつもなく散歩が大変だからやめたほうがいいと言われたこと、ちっぽけなわが家では大型犬を飼えるほどのスペースはなく、その夢を叶えるのはとうてい無理とわかっていたこともあり、公園で観賞することで満足せざるを得なかった。でも、観賞させてもらいながら言うのも気が引けるが、飼い主さん、それってないんじゃないと思わせるアフガンを見かけたことがある。アフガンの魅力はロングコートで気品に満ちたスタイルにあるのに、その飼い主は何と、飼い犬をサマーカットにしていた。サマーカットのアフガンハウンドなんて、想像できますか? 普通なら気にも留めない目は異様に眼光鋭く、むき出しになって長くとがった顔は見たこともないだけに、なかなか怖いものがありました。 |
|
作成者 |
|
---|
ひとこと数:0
ひとことを発言するには、作品をマークしてください。